せっかく就職活動を頑張ってやっとの思いで入社できたのに、仕事は辛いしいつも叱られてばかり。
毎日残業ばかりなのに給料はとても安いし昇給の気配だってない。
出てくるのは愚痴や会社の不平不満ばかり、もしかしてこの会社ってブラック企業じゃない?
そう思った方、何とかしてブラック企業を脱出する方法をお伝えします。
ブラック企業の5つの基準
まずは先にあなたの会社がブラック企業に当てはまるかを確認してみましょう。
基準その1:残業代や有給休暇、定められた休憩時間はちゃんとあるか
まずは1つ目から行きます。
今更言うまでもないかもしれませんが、残業代も有給休暇も法律で認められた労働者の権利です。
- タイムカードなどの勤怠記録がしっかり管理されていない。長時間残業をしているのに勤務時間を確認するとしていないことになっていたり、残業時間が勝手に減らされている。
- 有給休暇の申請を正当な理由なく拒否する。有給休暇の取得理由を細かく聞かれたり、特定の理由以外での取得を拒否する。
- そもそも残業代や有給休暇を一切認めない。もしくは経営難や労働者の自己責任などと言って暗にサービス残業や有給休暇の自主的な放棄を迫る。
- 休憩時間が取れない、取らせてもらえないことが頻繁にある。
こういったことが日常的に起きているならばブラック企業の可能性が高いと言えるでしょう。
基準その2:まともな就業規則は存在するか、あっても社員がいつでも閲覧できる状態になっているか
社員数が10人を超える会社には就業規則の作成と届け出が義務付けられています。
そして就業規則は社内の人間ならば誰もが常に閲覧できるようになっていなければなりません。
もしあなたが今勤めている会社の就業規則を見たことがなければ、そもそも就業規則が存在しない可能性、あるいはあってもなかなか閲覧を許可しないならば、社員の知らないところで会社側に都合のいい就業規則を作っている可能性や、社員の許可なく就業規則を書き換えることすらあります。
いずれにしても会社の都合で社員に不利益な待遇を与えようとしていることに変わりはありません。
基準その3:経費を経費としてしっかり精算させてくれるか
本来ならば社員が業務上で使用した交通費や接待費、事務用品などを経費として精算するのは当たり前のことです。
しかしブラック企業だととにかく出費を嫌がり、どのような理由をつけてでも社員に自腹を切らせようとする傾向があります。
ひどい場合は社員への罰金制度や何らかのペナルティが存在し、社員が会社にお金を支払う仕組みが存在する会社すらあります。
もちろん給与の天引きや罰金の徴収などは法律で禁止されていますので払う必要はありません。
基準その4:昇給賞与の制度が存在し、きちんと運用されているか
例えば会社の利益は安定して出ているはずなのに昇給や賞与の制度がない、あってもそれらがまともに運用されていない場合、社員に利益を還元する気がない会社だと言えます。
設備投資や負債の弁済を優先していることもありますが、そうでなければ経営者やその周辺の人たちの利益さえ取れれば社員の待遇や生活などどうでもいいと考えている可能性が高いです。
基準その5:上司や経営者は社員の意見を聞いてくれるか、法を守る意思があるか
基準その5にして最後の砦です。
ブラック企業は基本的に社員に対しては「会社のルールを押し付ける」のみなので、社員側の意見を聞いたり不平不満への対処などは考えません。
業務上・法律上の問題などを指摘したところで上司が揉み消したり、経営者に届いても「法律など守っていたら潰れる」などと叱責や自己正当化をされたり、指摘した社員に報復人事や待遇の悪化などを匂わせたり、悪質な場合は突然左遷や解雇をすることもあります。
彼らの中では法律よりも自分たちのルールが優先されるので、そこを妨害する者は会社に逆らった人間として排除する対象でしかないのです。
ブラック企業を上手に退職する方法
もし上に当てはまる部分が複数あれば退職を検討しましょう。
ただし、前提としてすんなり辞めるのは難しいです。
なので大まかに3段階に分けて説明していきます。
その1:まずは退職願を出す
ブラック企業とは言っても地域内では知名度や規模が大きかったり、人気があったりで人の出入りが激しい場合、辞めてもまた他を雇えばいいなどと思っていたりして社員が退職することを特に気にしない会社もあります。
なので引継ぎなどの予定やマニュアルなどもある程度準備しておいてから退職願とともに退職日の相談をしてみましょう。
その2:法的対応をちらつかせる
退職願を受け取らなかったり相談を聞き流されたり、はたまた退職を切り出したことを理由に叱責されたりすれば次は労働基準局や弁護士に相談すると言いましょう。時間があるならば事前に相談しておくのも有効です。
場合によっては改めて経営陣や幹部が複数であなたから話を聞こうとするかもしれません。
そうなっても気圧されたり縮こまったりせずに「私は労働基準法は把握しています」という態度を見せることで、無知に付け込もうとするブラック企業は引き下がる可能性が上がります。
揺るぎない退職の意思を見せましょう。
その3:話にならないなら専門家の力を借りる
最終手段です。
色々会社に言ったけどまともに取り合ってくれない、そもそもあなたが会社と話し合う気力が残っていない場合は専門家の力を借りましょう。
お金がかかりますが弁護士の仲介を得ることで退職代行の形をとって強引に退職できます。
何よりも辞めることが第一です。
ブラック企業を退職する際に起きる3つのトラブルと対処方法
上でも述べましたが、大抵はトラブルに見舞われます。
そこでこちらでは想定される退職時のトラブルと対処方法をお伝えします。
その1:根拠のない引き留めや脅し
まずは退職を切り出した段階で上司からこのような言葉を投げかけられるでしょう。
- お前などどこに行っても通用しない。
- 今退職すれば周りに迷惑がかかる。
- 一度辞めれば辞め癖がつくぞ。
- 会社は〇年働かないと一人前にはなれない。
- 給料や休日を増やす、仕事量を減らすから考え直してくれ。
どれも聞く耳など持たなくて大丈夫です。可能なら聞き流して下さい。待遇を改めるなどの甘い言葉は心が揺らぐかもしれませんが、約束をしてもまず守られないので真に受けてはいけません。
ちなみにもし転職先が既に決まっている場合は絶対に会社名などを退職する会社に伝えてはいけません。転職先にあなたの悪口をあることないこと吹き込まれて最悪の場合内定がなくなる恐れがあります。
その2:勝手な退職の先延ばし
引継ぎや補充の人員が来るまでだとか、社会人のマナーや就業規則に違反しているだとかなどと理由をつけ、既に提示、もしくは了承されたはずの退職日を勝手に伸ばそうとしたりします。こちらの都合などもお構いなしにです。
法的には就業規則の内容によらず退職の意思を表明してから二週間で退職可能です。
口頭でも書面でも問題ありませんが、念のために会話の録音や書面のコピーなどの証拠を準備しておきましょう。
そもそも会社の人員補充やビジネスマナーなどのためにあなたが退職を引き延ばす必要はありません。
その3:必要書類や資格の交付や返還、有給休暇の消化を拒否する
いざ退職手続きが完了しても離職票や退職証明書などの書類を交付しない、預けてある年金手帳や資格証明書を返さない、残っているはずの有給休暇を消化させないといったことをしてくる可能性が残っています。
基本的に退職する人間への腹いせや嫌がらせでしかありません。離職票などはどうしても会社が交付してくれない場合は管轄のハローワークに相談しましょう。
年金手帳や各種資格証、有給休暇などは、会社に悪意がある場合は返還や消化を期待するのは正直難しいです。
関わりたくない場合は管轄の事業所などで再発行するか、有給休暇も特段の事情がなければ退職を優先してあえて取らないのも手です。
まとめ
いかがでしたか。今回の記事ではブラック企業から何としても脱出する方法とその際に起きそうなトラブルについて紹介しました。
ブラック企業は勤め続けるだけではなく退職するにも相当の労力が必要です。
しかし退職しなければいずれ自分の体を壊すだけなので、もしあなたがブラック企業でつらい思いをしているならば一刻も早く退職への一歩を進めていただければと思います。