世の中には従業員を虐げるブラック企業というものが存在します。
彼らは従業員を理不尽な目に合わせて利益を奪い取ることが知られていますが、理不尽なのはブラック企業だけとは限りません。
ブラックなのは企業だけではありません。
ブラック上司と呼ばれる厄介な上司も存在するのです。
そこで今回の記事では、ブラック上司の特徴とその対処法を紹介していきたいと思います。
ポイント
- ブラック上司とはどんな上司か
- ブラック上司の特徴とは
- ブラック上司にどう対処したらいいか
ブラック上司の定義とは
ブラック上司とは、日常的に部下に精神的、あるいは肉体的に過大な負荷やストレスをかけて不調や退職に追い込む上司のことです。
最悪の場合は退職どころか、ストレスにより長い間心身の病に苦しんだり、過労死や自殺にまで追い詰めてしまう場合すらあります。
ブラック上司の特徴
ここからブラック上司の具体的な特徴を以下の4つに分けて解説していきます。
ポイント
- 気分次第で対応を変える
- 部下への要求水準が高過ぎる
- 自己中心的である
- 被害者意識の塊である
その時の気分や相手次第で対応を変える
基本的にブラック上司は気分の浮き沈みが激しく、その時その時によって指示が二転三転したり、同じことをしても怒ったり怒らなかったりということがよくあります。
気に入っている部下に甘いと思えば、よく思わない部下に対しては些細なミスで長時間の叱責や罵倒を繰り返したりと、部下への対応が一貫していません。
機嫌が悪い時は大声で怒鳴り散らしたり、物にあたったり、自分の不機嫌さを露骨に態度に見せたりと、とても社会人とは思えない行動を平気で取ります。
部下への要求水準が高過ぎる
ブラック上司は部下に自分の思う限りの完璧を求めます。
最終的な結果や利益はもちろん、書類の完成度や顧客や関係各所への対応、自分の思うタイミングでの進捗状況の報告など、わずかな報連相の漏れや自分の理想とする業務完成度との剥離があれば即座に怒りをぶつけてくるでしょう。
問題なのは部下に完璧を求めるばかりで、ミスを減らしたり業務の完成度を高めるための指導や教育はろくにできない、ひたすら叱責や罵倒を行うのみであるということです。
自己中心的である
根本的にブラック上司は部下を自分にとって都合のいい道具として見ています。
厄介な仕事を部下に任せて自分は定時であっさり帰ったり、連休や有給休暇、長期休暇などの前日にわざと急ぎの仕事を振って休日を潰そうとするなど意地の悪い采配を行う上司も存在します。
悪質な場合は下記のような部下に自身の業務外であるはずのことを日常的にやらせる・求めるケースも見受けられます。
- 食事や飲み物を買いに行かせる
- 自宅から会社への送迎をやらせる
- 休みを取っているのに自分の都合(私用も含む)で使おうとする
- 休日や深夜など業務時間外に平気で電話やメール、チャットなどの仕事の連絡を取ろうとする
いずれも迅速なアクションやレスポンスがなければ即座に怒りを買うので、ブラック上司に目を付けられている部下からすれば言いなりにならざるを得ません。
都合が悪くなれば自分のミスを平気で部下に押し付けたり、実際に部下が失態を犯したとしても上司である自分の責任やフォローを全否定するなど、根底にあるのは自己保身のみです。
また、これだけのことをしておきながら自分が部下に嫌われているという自覚は持ち合わせていない場合も多く、休日や業務時間外に私的な誘いを行って部下を振り回してしまいます。
被害者意識の塊である
散々部下にハラスメントや理不尽な扱いをしておきながら、ブラック上司本人は自身が被害者だと信じて疑わない場合があります。
- 部下に恵まれないせいで自分は会社に評価されていない
- 部下の尻拭いや後始末だけで毎日が過ぎていく
- 部下が自分に嫌がらせをする
根拠のない思い込みや被害者意識の強さゆえに、自身の落ち度や改善のしどころを全く理解できないのです。
ブラック上司の激しい叱責や追及を目の当たりにした同僚やさらに上の上司がブラック上司を窘めても、「俺が怒らなければいけないのはお前のせいだ!」などと結果的に火に油を注ぐ結果になってしまいがちです。
なぜブラック上司は野放しにされているのか
そもそも「ブラック上司はなぜ会社から処罰をされないの?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。
特にハラスメントやコンプライアンスに厳しくなりつつある令和の現代ならばなおさらでしょう。
次からブラック上司が野放しにされる理由を説明します。
ポイント
- 本人の仕事のスキルは高い
- 社内外に有力な人脈を築いている
- 会社がブラック企業だから
本人の仕事のスキルは高い
ブラック上司個人の上司としての能力や部下とのコミュニケーション力に疑問はあるものの、ひとりの従業員として見れば能力は高い場合があります。
例えば営業成績が非常に良いとか、顧客との厄介な商談や交渉を何度もまとめた実績があるなど、会社から見ると魅力的な人材であるケースです。
現在では特に忌避されがちな長時間労働や休日出勤も平然とこなしたり、転勤や出張などが入ってもそれらに対する愚痴や文句も言わずに従うなど、会社にとってはとても都合がいい存在となるでしょう。
そのために会社側も無下にできなかったりブラック上司を守りたい心情が働く場合があり、部下から多少の不満や文句が会社に流れても会社とブラック上司の利害が一致して事実上の黙認になることがあります。
経営者や有力な顧客と人脈がある
ブラック上司がこれらの理由で他の従業員と一線を画した地位にいると、他の従業員がブラック上司のおかしさに気付いていても自分が巻き込まれたりターゲットになるのを恐れて口を閉ざすケースが存在します。
- 経営者やその関係者との関わりが深い、もしくは非常に気に入られている
- 有力な顧客や取引先と関わりがある、およびそれらのコネクションで入社している
- 親会社などの上下関係のある企業からの出向や天下りである
下手にブラック上司を処罰してしまうと、関係のある取引先や経営陣との関係が悪化する恐れが生まれたり、重大な利益を損ねる可能性があることから人事や労働組合などでも強気な対応を取れなかったりするのです。
形だけの調査を行ってお茶を濁したり、従業員の告発を受け流してしまうなどの曖昧な対応に終始してしまい、ブラック上司の横暴を許す結果に繋がります。
会社がブラック企業だから
ブラック上司以前に、会社そのものに問題があるケースです。
元より会社がブラック上司を処罰する気がない、ブラック上司の何がブラックなのかを全く理解していない、ブラック上司の言葉を鵜吞みにして部下の言い分を全く聞かないなどの対応を見せた場合はこのケースを疑うべきでしょう。
ブラック企業が従業員からこのような報告や相談を受けた場合、従業員の方を報復人事として左遷や減給などの待遇悪化を行ったり、「上司の指示を素直に聞けない従業員など必要ない」と問答無用で解雇する可能性すら否定できません。
ブラック上司への対処法
ここからブラック上司の元についてしまった場合の対処法を3段階に分けて紹介していきます。
ポイント
- 労組や上層部に告発する
- 異動を希望する
- 退職を考える
労働組合やブラック上司の上司に告発する
会社がブラック上司の本性に気付いていないだけならば、健全な労働組合や上層部への相談や告発をすることで何かしらの変化が起きるかもしれません。
まっとうな企業ならばブラック上司に対して何もしないわけにはいかないので、会社が動いてくれるかを確かめてみてもいいでしょう。
既に他の従業員からも似たような告発がなされていれば、尚更放置もできないはずです。
可能であれば画像や動画、会話の録音などしっかりとした証拠も準備して臨みましょう。
異動を希望する
ブラック上司の異動や反省が望めなさそうな状況であれば相談と合わせて異動願を出してみてもいいでしょう。
お互いに同じ部署にいれば関係がぎくしゃくするのは目に見えていますので、相手が異動しないならば自分から異動する方向性を模索すべきです。
そもそも改善や反省をしないタイプのブラック上司ならば、上層部へ相談をされたことを根に持って更なるパワハラやいじめを仕掛けてくる恐れもあるので離れた方が確実でしょう。
退職を検討する
相談や告発に対して会社がブラック上司をかばったり、あなたの話を聞く気がさらさらなかったり、あなた自身の落ち度ばかりを責めるようであればブラック企業確定なので退職を考えるべきです。
特定の従業員や会社にとって都合のいい従業員ばかり大事にするような会社に所属していてもあなたのためになりません。
ブラック企業やブラック上司からはすぐにでも逃げるべきです。
まとめ
いかがでしたか。
ブラック企業だけでなくブラック上司も従業員からすれば百害あって一利なしの存在でしかありません。
もしあなたの身近にこんな上司がいればすぐに距離を取ることをおすすめします。
それが平穏無事に人生を過ごす秘訣なのです。