仕事ハック

本当にあるの⁉ブラック企業に入社するデメリットとわずかなメリット

世の中にはたくさんの企業があります。
そして入社や転職を考える時には業種や職種はもちろんのこと、給料や勤務時間、休日・福利厚生や会社の将来性、社内の雰囲気など様々なことを検討するかと思います。

その中でもブラック企業と言われる、あるいはその疑いがあるとされる会社は、多くの人が入社を避けるべき企業と口をそろえるでしょう。

一般的にはブラックかもしれない企業にあえて入社するのは、かなり危険な賭けになります。

実際にいったん入社してしまうと、多くの重大なデメリットがあなたを待ち受けているでしょう。しかし、わずかながらもメリットがあるのです。

今回はそれを紹介していきたいと思います。

5つのデメリット

ブラック企業に入社してしまうと、数々の重大なデメリットが待っています。まずはそのデメリットを紹介します。

その1:基本的に低収入・終わりのない長時間労働

ブラック企業がブラック企業たるゆえんは、まずこの点に尽きるでしょう。

人員不足や少数精鋭を理由にサービス残業や休日出勤を常日頃から強制され、膨大なノルマや任される仕事の責任を果たしても給与やボーナスには一切反映されません。

そもそも昇給やボーナスの制度が存在しなかったりと、どう考えても業務量に釣り合わない低収入で会社に縛り付けられてしまいます。

その2:プライベートの時間は取れず、何よりも仕事を優先させられる

ブラック企業は何よりも仕事を優先するように従業員に迫ります。

せっかくの休日でもひっきりなしに連絡が来たり、返信をしなかったり電話を取らなければ後で強く叱責されたりします。

連絡どころか会社に無理矢理呼び出されたり、ひどい場合はそのまま定時以降も出勤日と同様に働かされたりなどと、生活のリソースすべてを会社に注ぎ込むように刷り込まれるのです。

言うまでもなく社員の事情を考慮するという姿勢もないので、天候や交通事情の悪化で通勤がままならなくとも出勤時間の厳守は変わらず、本人はおろか親族の急病や危篤でも欠勤はおろか遅刻や早退すら認めることはありません。

少しでも自分の事情を語ろうものなら、「会社を第一に考えないのは社会人失格」などと社会人が仕事以外に時間を使うのは悪と言わんばかりに責められ、仕事とプライベートの境目がだんだん曖昧になっていきます。

その3:ハラスメントで精神を蝕まれる

ブラック企業には法律の概念がありません。

些細なミスからの激しい叱責や人格否定はもちろんのこと、仕事が片付くまで帰宅どころか休憩すら禁じられたり、物を壊したり投げつけたり、果ては社員に暴力を振るってくる会社すらあります。

叱責の内容も凄まじいもので、ありとあらゆることをけなす材料にしてきます。
例を挙げると…

  • 容姿や体型、身長などの身体的特徴
  • 性格や癖、出身地や学歴、趣味嗜好、恋愛遍歴、性体験の有無や頻度
  • 家族や家族構成、家族の職業

こうした猛烈なモラハラやセクハラで徐々に精神を蝕まれていくのです。

その4:家庭を築きにくく、維持しにくい

ブラック企業の社員は上で挙げたように低収入に加えて仕事以外に使える時間も極端に少なく、結果的に恋愛や結婚をする余裕がなくなります。

仮に結婚ができても、給料が上がるわけでもなければ家庭に時間を割かせてくれないことには変わりがないので、家庭不和や離婚のリスクは高いです。

もちろんすでに結婚している人がブラック企業に転職した場合も変わりません。

本人だけでなく家族にもブラック企業は地獄を見せてくれるのです。

その5:使い物にならなくなれば捨てられる

ブラック企業には病気や怪我・それにともなう入院は社員の自己責任という考え方があります。

上で挙げたような家庭や本人の事情も考慮しないうえに、病気や怪我で動けなくなろうとも心配しないばかりか「なぜ出勤しない」「自分は○○でも出勤して仕事をしていた」と会社に来ない社員を責めるのです。

時には診断書などの提出があっても仮病を疑い、自宅に押し掛けてでも出勤させようとします。

社員が周囲に感染させる恐れのある病気でも出勤を求め、実際に会社に病気が蔓延してもお構いなし、「感染する奴が悪い、自己管理不足」と吐き捨てたり、職場環境で精神に不調をきたせば「うちはまだ甘い方、気合が足りない」とやはり取り合ってはくれません。

そして本格的に出勤できなくなった社員に対してはあっさりと「働けない人間に用はない」とばかりに問答無用で切り捨てるのです。

わずかな3つのメリット

このようにブラック企業に入社するのはデメリットだらけなのですが、一応存在する3つのメリットを挙げていきます。

その1:ストレス耐性が上昇する

ブラック企業ではあらゆることが社員にとってストレスの塊となりますが、裏を返せば「この異常な環境に慣れてしまえば転職後は一般的な企業が天国のように感じる」ということです。

叱責されても涼しい顔で受け流せますし、まともな企業なら暴力や凄まじいハラスメントの心配などありません。

ただしこれは退職後の話なので、勤め続けている限りは膨大なストレスにさらされますし、体を壊さずに退職するのが前提となります。

そもそもこんな環境に慣れようと考えてはいけません。

その2:未経験でも採用されやすく、とりあえず業界の経験を積める

一般的に未経験の職種・業種に転職をしようとすると年齢を重ねるほど採用のハードルが上がります。

しかしブラック企業は採用のハードルはむしろ低いので、「とりあえず入社して経験を積んだり資格を取ったりしたい」といった場合に選択肢に上がります。

とはいってもこの場合は入社してみたらブラック企業だった時の緊急手段に近いものなので、ある程度職歴を履歴書に書ける段階になったところでもっと健全な同業他社に転職した方がいいでしょう。

その3:その業界で独立・起業を考えている

ブラック企業ではよく「経営者目線で物事を考えろ」と言われます。

ブラック企業そのものからすれば「社員を体よくこき使う決まり文句」に過ぎませんが、あらゆる作業を一社員に押し付けるために様々な業務に触れることが可能です。

あえて厳しい環境で自分が経営者になったつもりで多くの仕事に励むことで、独立や起業をした時の予行演習になりえます。

その代わりこの環境で仕事のノウハウを学んでいざ起業した場合、自分自身がブラック企業の経営者になる可能性があるので気を付けてください。

まとめ

いかがでしたか。今回はブラック企業に入社するデメリットとメリットを紹介しました。

確かにメリットそのものはあるのですが、ブラック企業でなければ得られないメリットとは到底言えません。

何よりデメリットの方がはるかに大きいです。そしてそのデメリットは自分の人生や健康に直結するものです。

ブラック企業に勤めたことのある方ならご存じかもしれませんが、一歩間違うと体を壊して復帰に相当の時間が必要になることもあります。
無事に復帰できる保証もないのです。生き急ぐ必要はありません。

経済的に余裕がないが入社した会社がブラックだった、他社に何度も落ちて他に受けられるところがないといった背に腹は代えられない事情がなければ、あえてブラック企業を狙う必要性はないでしょう。

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