思わず触れたくなるふわふわした毛並み。
くるくるとした愛らしいおめめ。
店員さんに勧められて抱っこしてみる。
そんなおめめで見つめられたら・・・
かわいらしさと、勢いで飼ってみたものの実際、お世話してみるとなんと大変なことか。
私は動物病院で10年間勤務した経験があります。
かわいさと勢いで新しく犬を迎えたものの、イメージとは違った飼育の大変さから飼い主さんから相談を受けることも多々ありました。
そこで、これから犬を飼いたいと思っている人に犬を飼う前にまず知って欲しいことを紹介します。
犬の新規飼育頭数
調査年 | 頭数 |
2019年 | 35万頭 |
2020年 | 41万6千頭 |
2021年 | 39万7千頭 |
2022年 | 42万6千頭 |
一般社団法人ペットフード協会の発表によると、犬の新規飼育頭数はコロナ前に比べ増加していることがわかります。
コロナ禍で新しく犬を飼った理由としてもっとも多かったのが
「お家時間を充実させたい」
でした。
家にいる時間が長くなり、生活環境の変化でストレスが溜まる。
その癒しとして犬を飼う人が多くなったと考えられます。
犬を飼うメリット・デメリット
いざ、犬を飼ってみたものの、
「思い描いていたイメージと違う」
と感じる人も多かったようです。
そこで、まず犬を飼うメリット・デメリットを紹介します。
犬を飼うメリット
- 生活に潤いや安らぎが生まれる
- 家庭が和やかになる
- 子どもがこころ豊かに育つ
- 防犯や留守番に役立つ
- 散歩に行くことで、人も健康になれる
実際、飼い主さんからも、
「犬を飼ったことで、家族の会話が増えた」
「子どもが積極的にお世話をしてくれている」
「毎日一緒に散歩することで、生活のリズムが整った」
などの声を聞くことも多くありました。
犬を飼うデメリット
- 時間に制限される
- 散歩にいかなくてはいけない
- お金がかかる
- ご近所トラブル
- 介護が必要になる場合もある
コロナ禍では犬に十分費やす時間があったのに出社することが増えてくるとそれがままならなくなった人も多くいました。
「出かけようとすると、よく吠えるようになった」
「声が大きいので、ご近所の迷惑になっていないか心配」
「散歩の時間が取れなくなり、外でしかトイレができないので困っている」
なども新規で犬を飼った飼い主さんから多く聞かれた意見でした。
また、犬の平均寿命は約15歳。
生涯飼育にかかる費用は250万円といわれています。
これに加え、大きな怪我や病気、老犬介護となると、さらに費用がプラスされます。
犬を飼う前にまずして欲しい事
癒しを求めて飼ったはずなのに、犬の存在が飼い主のストレスの原因になっては本末転倒。
そうならないためにも、まずは犬を飼う前にして欲しいことを紹介します。
- 家族できちんと話し合う
- 本当に最期まで飼うことができるのか考える
- 飼えなくなったとき、その後を前もってきちんと考える
- 動物病院へ相談に行く
家族がいる人は、犬を飼うことに全員が納得しているのか?
単身の人は、犬にかける時間がしっかりあるのか?
自分の年齢と犬の寿命を考え、最期まで飼うことができるのか?
経済的余裕、飼育環境など、しっかり考えたうえで、犬を飼う判断をして欲しいと思います。
迷ったり、分からないことは動物病院に相談してください。
「動物病院は動物を飼っている人が行くところ」
と思っていませんか?
いえいえ。
動物病院は動物のプロが集まるところ。
犬を飼う前の準備や犬種選び、飼ってからの注意点など、色んなことをアドバイスしてくれます。
まとめ
今回は犬を飼う前に知って欲しいことを紹介しました。
犬を飼う以上は終生飼養に努めるよう法律でも定められています。
コロナ禍で癒しを求め、安易な考えで飼ってはみたものの、飼育が困難になるケースも増えました。
コロナ以前から、犬を飼うことで精神的な安らぎや、子どもの心の教育の一環としてのメリットが上げられていましたが、
コロナ禍でそれがより求められるようになりました。
犬とのふれ合いは、副交感神経を優位にたたせ、メンタルヘルスにもよいとされています。
また、犬の散歩は人にとっての中程度の運動とされており、1日60分以上散歩を続けることで、生活習慣病の予防に効果が見込まれるとされています。
正しい知識と、適切な飼育で犬とのワンダフルライフが送れるよう
今回の知識をぜひ活用してみてくださいね。